グスタフ・レオンハルト
Gustav Leonhardt

1928年生まれのオランダの指揮者、チェンバロ奏者、オルガン奏者。 オリジナル楽器演奏のパイオニアであり、 60年代から80年代前半までの古楽界をリードし続け、 特にチェンバロ演奏では60年代から70年代にかけて規範的な 役割を担ってきた。

その演奏の特徴は、チェンバロ演奏の中で「不均等の美学」を実現し、 微妙な時間のずらしを取り入れた独特のタッチによるニュアンス付けを 行ったことにある。この演奏法はそれまでのチェンバロ演奏の イメージを一新し、その後のチェンバロ演奏に大きな影響を与えた。 またその気品に満ちた演奏は、説得力をもって聴衆の心を捉え、 ブリュッヘンの言った「レオンハルトは現代のバッハだ」 という言葉がリアリティーをもって我々に感じられてくる。

指揮者としても数多くの室内楽曲、声楽曲を録音しているが、 特にアーノンクールと共同で行ったバッハの 「教会カンタータ全集」(テレフンケン)の録音は、 オリジナル楽器演奏の金字塔となる大事業であった。 この業績によって2人は1980年に「ヨーロッパ文化のノーベル賞」 とも言われる「エラスムス賞」を演奏家としてはじめて獲得 するという栄誉を得た。

(宮内)


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