解説項目

音律
	合唱音楽と音律
	音律の基礎
	各音律の特色
教会旋法
	中世ルネサンス音楽と教会旋法
	教会旋法の基礎
	各旋法の特色
音楽修辞学
	修辞学（レトリック）と音楽
	音楽における代表的なフィグーラ
ヘキサコード階名法
	中世・ルネサンス期の楽譜の読み方
	楽譜の読み方の基礎
歴史的発音
	中世・ルネサンス期の発音
	各地域のラテン語の発音
中世・ルネサンス音楽用語集

12世紀から13世紀末までフランス ラテン語の発音

子音    発音記号
b       [b]
c       a,o,u,r,lの前で[k]、 e,i,ae,oeの前で[ts]
cc      [ks]もしくは[ts]
ch      a,o,uの前もしくは子音の前で、[k]、e,iの前で[tS]
d       [d]
f       [f]
g       a,o,uおよび子音の前で[g],e,iの前で[dZ]
gn      [n]
h       無音、例外としては、mihi,nihilでは[k]
i,j     [dZ] （ただしi,jを子音として用いる場合であることに注意せよ。）
k       [k]（ただしkという子音自体使用されることが少ない）
l       [l] 
m       [m]
n       発音記号で、[k]および[g]となる子音の前では、[N]、それ以外では、[n]
p       [p]
qu      [k]
r       [*]
s       母音間や単語の最後でsが発音される場合には、[z]、それ以外では[s]
t       -tio,-tiaという単語では、[s]それ以外は[t]（ただし語尾では、無声化される。）
v       [v]
x       [x]
z       [z]

母音    発音記号
a       [a]
am      [a~m] （ただし現在のa~よりもやや明るい音である。）
an      [a~n]  （ただし現在のa~よりもやや明るい音である。）
au      [au]
e,ae,oe [e]
em      [a~m]
en      [a~n] （ただし、-ensや-entという語尾で用いられる場合は、[Ens]および[Et]）
est     [Et]
i,y     [i]
o       [o] （ただし鼻音でない子音の前では、[O]）
om      パリでは、[O~m]、それ以外では、[u~m]
on      パリでは、[O~n]、それ以外では、[u~n]
u       [y] （ただし、-usという語尾では、[Yz]）

14世紀から15世紀末までフランス ラテン語の発音

子音    発音記号
b       [b]
c       a,o,u,r,lの前で[k]、 e,i,ae,oeの前で[s]
cc      [s]
ch      [S]
d       [d]
f       [f]
g       a,o,uおよび子音の前で[g]、e,iの前で[Z]
gn      [n]
h       無音、例外としては、mihi,nihilでは[k]
i,j     [Z] （ただし、i,jを子音として用いる場合であることに注意せよ。）
k       [k]（ただしｋという子音自体使用されることが少ない）
l       [l] 
m       [m]
n       発音記号で、[k]および[g]となる子音の前では、[N]、それ以外では、[n]
p       [p]
qu      [k]
r       [*]
s        母音間や単語の最後でsが発音される場合には、[z]、それ以外では[s]
t       -tio,-tiaという単語では、[s]それ以外は[t] （ただし語尾では、無声化される。）
v       [v]
x       [x]
z       [z]

母音    発音記号
a       [a]
am      [a~m] （ただし現在のa~よりもやや明るい音である。）
an      [a~n]  （ただし現在のa~よりもやや明るい音である。）
au      [ao]
e,ae,oe [e]
em      [a~m]
en      [a~n] （ただし、-ensや-entという語尾で用いられる場合は、[Ens]および[Et]）
est     [Et]
i,y     [i]
im      [i~m]
in      [i~n]
o       [o] （ただし鼻音でない子音の前では、[O]）
om      パリでは、[O~m]、それ以外では、[u~m]
on      パリでは、[O~n]、それ以外では、[u~n]
u       [y] （ただし、-usという語尾では、[Yz]）
um      [y~m]
yn      [y~n]

16世紀以降のフランス ラテン語の発音

子音    発音記号
b       [b]
c       a,o,u,r,lの前で[k]、 e,i,ae,oeの前で[s]
cc      [s]
ch      [S]
d       [d]
f       [f]
g       a,o,uおよび子音の前で[g]、e,iの前で[Z]
gn      [gn]
h       無音、例外としては、mihi,nihilでは[k]
i,j     [Z] （ただしi,jが子音として用いられる場合であることに注意せよ。）
k       [k]（ただしｋという子音自体使用されることが少ない）
l       [l] 
m       [m]
n       発音記号で、[k]および[g]となる子音の前では、[N]、それ以外では、[n]
p       [p]
qu      [k]
r       [*]
s       母音間や単語の最後でsが発音される場合には、[z]、それ以外では[s]
t       -tio,-tiaという単語では、[s]それ以外は[t]、ただし語尾では、無声化される。
v       [v]
x       [x]
z       [z]

母音    発音記号
a       [a]
am,an   [a~]
au      [o]
e,ae,oe [e]
em      [a~]
en      [a~] （ただし、-ensや-entという語尾で用いられる場合は、[Ens]および[Et]）
est     [Et]
i,y     [i]
im,in   [i~]
o       [u] （ただし鼻音でない子音の前では、[O]）
om      パリでは、[O~]、それ以外では、[u~]
on      パリでは、[O~]、それ以外では、[u~]
u       [y] （ただし、-usという語尾では、[Yz]）
um,un   [W~]